ADHDという「勝手に動くキャラ」をゴールへ導く方法

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「集中しろ」
「気を抜くな」
「もっとちゃんとやれ」

社会に出てから、何度もそう言われてきました。
そして僕は自分自身にも、同じ言葉を投げ続けてきました。

忘れないように気をつける。
ミスしないように意識する。
やる気を出して机に向かう。
それでも、同じ失敗を繰り返す。

そこで初めて、同じ「仕事」というフィールドに立っていても、
実は使っているキャラクターが違うのではないか、と思うようになりました。

もし多くの人が「入力した通りに動くキャラ」だとしたら、
自分は「入力しても、その通りに動かないキャラ」なのではないか。

そう考えると、これまで感じてきた違和感に説明がつきます。
努力が足りなかったのではない。
同じ操作方法が、そもそも通用しなかっただけかもしれません。

この違いを整理するために、
ここでは便宜的に「多くの人」と「ADHD」という言葉を使って、
二つのキャラの違いを比べてみたいと思います

多くの人は「入力した通りに動くキャラ」

ゲームに例えるなら、
多くの人はこういうキャラです。

  • スティックを倒せば、その方向に動く
  • ボタンを押せば、すぐに反応する
  • 同じ操作をすれば、だいたい同じ結果が出る

だから、

  • 「集中しよう」と思えば集中できる
  • 「我慢しよう」と思えば我慢できる
  • 「気をつけよう」が機能する

意思と行動が安定してつながっているキャラです。

この前提があるから、
努力論や自己管理論が成立します。

ADHDは「思い通りに動かないキャラ」

一方で、ADHDのキャラは挙動がかなり違います。

  • やろうと思った瞬間に、別のことが気になる
  • 集中しようとしても、途切れる
  • 急に別方向へ動き出すことがある

これは怠けているわけでも、やる気がないわけでもありません。
入力そのものが、安定して反映されないキャラなのです。

同じ「操作」をしても、結果が毎回バラついてしまう。

だから
「もっと意識しろ」「次はちゃんとやれ」
という多くの人に役立つはずの攻略法が、ほとんど機能しません。

ここで重要なのは、優劣ではなく“前提”の違いです。

多くの人向けのゲームは、
「操作できるキャラ」を前提に作られています。

でもADHDは、
最初から操作前提ではないキャラを渡されている。

これでは僕たちが多くの人と同じフィールドに立っていても、
ゲームの攻略法が違うことになります。

そのように考えると、
これまでのつまずきや違和感が、自然に説明できるようになります。

そしてもし本当に、遊んでいるゲームが違うのだとしたら。
やるべきことは一つしかありません。

僕たちがやるべきは、勝手に動くキャラが
自然とゴールに向かってしまうような
ルールと仕掛けを先に作っておくことです。

あらかじめフィールドの障害物を取り除く。
迷わないようにフィールドの分かれ道を消しておく。
フィールドに立つと、自動で進むように設計する。

そうやって
「意思で操作しなくてもクリアできるゲーム」に
作り替えていきます。

ここからは、
僕が実際に使って効果のあった
勝手に動くキャラをゴールへ導く仕組みを
具体的に紹介していきます。

攻略法について

ここからは、
「操作が苦手なキャラ」を前提にした
具体的な攻略法を2つ紹介します。

ポイントは一貫しています。
キャラを上手く動かそうとしないこと。

代わりに、
キャラが勝手に動いても
結果的にゴールへ近づいてしまう仕組みを作ります。

分かれ道を消す

ADHDキャラが一番詰むのは、
分かれ道が多いマップです。

・何から手をつけるか
・どれを優先するか
・今やるべきか後回しにするか

この「選択」のたびに、
キャラは立ち止まり、別方向へ走り出します。

だからまずやるべきことは、
分かれ道そのものを消すこと。

・今やるタスクは1つだけに絞る
・タスクは順番に一つずつ完了させていく
・必要最小限の道具しか机に置かない

これらは操作の精度を上げるのではなく、
迷うことができないマップに書き換える攻略法です。

ワープ装置を消す

このキャラは、
ゴールに直線で向かうのではなく、刺激がある方向へ自動でワープしてしまいます。

・スマホ
・通知
・SNS
・さわがしい音

これらはすべて
強制ワープ装置となりえます。

意志で止めようとしても無理なので、
やることは一つ。

・スマホを別の部屋へ置く
・あらかじめ通知がこない設定にする
・耳栓で音を遮断する

これらはキャラに負荷をかけずに、
ワープができない構造にする攻略法です。

まとめ

ここまでの話を整理すると、
ADHDの攻略でやっていることは一貫しています。

「ちゃんとやる」
「ミスしないように注意をする」
「集中を保つ」

このような操作の上達を目指していません。

代わりにやっているのは、
分かれ道が発生しないマップを用意し、
勝手に別ルートへ飛ばされない構造を作ること。

つまり、
キャラの意思をあてにしてゴールを目指すことをしない
ことが僕たちがとるべき攻略法となります。

この前提に立つと、人から指摘される
「やる気のなさ」「集中力の欠如」などといった問題は、単純に僕たちの性格や努力不足ではないといえます。

起きていたのは、
操作前提のゲームを、
操作が苦手なキャラで遊ばされていたということです。

僕たちがこれから考えていくべきことは、できない自分を責めるのではなく
僕たちのキャラでも自然に前へ進める仕組みをどう作るかです。


※本記事は、筆者自身の体験をもとにした内容です。
医学的な判断や診断については、専門家にご相談ください。
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