「さっき上司に言われたことを、もう忘れてしまった」
「いくつか頼まれた作業のうち、ひとつだけ抜けてしまった」
そんな経験はありませんか?
実は、僕自身がまさにそうでした。
何度も同じようなミスを繰り返し、そのたびに謝ってばかり。
「なんで自分はこんな簡単なことができないんだろう」と、情けない気持ちになることも多かったです。
今でも、油断すると同じようなことが起こりそうになる瞬間はあります。
正直に言えば、完全に克服できたわけではありません。
それでも、ここ最近は明らかに「抜け漏れ」が減ってきました。
以前の自分と比べると、「あ、今回はちゃんとできたな」と感じる場面が増えています。
この記事では、そんな僕が
「何を意識し、どんな工夫をしてきたのか」
について、実体験をもとに書いていこうと思います。
同じように
「うっかりミスが多い」
「仕事で自信をなくしている」
そんな方のヒントになれば嬉しいです。
ワーキングメモリについて
まず、対策の話に入る前に「ワーキングメモリ」という言葉について少し説明します。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に頭の中に置いて、考えたり処理したりする力のことです。
よく「作業机」にたとえられます。
机が広ければ、たくさんの資料を広げながら同時に作業ができますよね。
逆に、机が小さいと、置ける物の数が限られ、すぐにごちゃごちゃしてしまいます。
ADHDの人は、この「頭の中の作業机」がもともと小さい傾向があると言われています。
そのため、上司から言われたことや作業手順を頭の中だけで処理しようとすると、すぐにいっぱいになってしまうのです。
「ちゃんと聞いていたはずなのに、抜けてしまった」
「覚えておこうと思ったのに、次の瞬間には別のことで頭がいっぱい」
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
これは怠けているからでも、集中力がないからでもありません。
脳の仕組みとして、同時に扱える情報量に限界があるだけなのです。
だからこそ、ADHDの人が仕事をスムーズに進めるためには、
「頭の中だけで処理しない工夫」がとても大切になります。
次に、その具体的な対策についてお話しします。
対策:頭の中だけで処理しようとしない
ADHDの人は、ワーキングメモリが少ないため、
「頭の中だけで考えて仕事を進めよう」とすると、どうしても限界がきます。
そこで私がやっている対策はとてもシンプルです。
考える場所を“頭の中”から“紙の上”に移すこと。
イメージとしては、
「頭の中に無理やり作業机を増やそうとする」のではなく、
机をもう一つ外に用意する感覚です。
具体的には、紙とペンを用意します。
そして、
- 上司に言われたこと
- 教わった作業手順
- いま何をすべきか
を、その場でそのまま書き出します。
きれいにまとめる必要はありません。
箇条書きでも、殴り書きでもOKです。
広く自由に書き留めるために僕はA4の白紙を使っています。
「覚えておこう」とするより、
「とりあえず紙に逃がす」ほうが、頭は驚くほど楽になります。
頭の中に余白ができると、
・次に何をすべきかが見える
・焦りが減る
・ミスが減る
という変化が出てきます。
ワーキングメモリが少ないのは、怠けでも能力不足でもありません。
道具の使い方が合っていなかっただけです。
紙1枚で、仕事のしんどさはかなり変わります。
まとめ
仕事でのうっかりミスや抜け漏れは、意識や根性の問題ではありません。
それはワーキングメモリの容量によるものです。
ADHDの人は、頭の中に一時的に情報を置いておくスペースが少なく、
「覚えておこう」「後でまとめよう」とすると、すぐに限界が来てしまいます。
だからこそ大切なのは、
頭の中で頑張らないこと。
考える場所を「頭」から「紙の上」に移すだけで、
作業の見通しが立ち、焦りが減り、ミスも少なくなります。
特別な道具や能力は必要ありません。
A4の紙とペンがあれば十分です。
・言われたことを書く
・今やることを書き出す
・考えることを外に出す
それだけで、仕事のしんどさは確実に変わります。
「自分はダメなんじゃないか」と思っていたことが、
実は「やり方が合っていなかっただけ」だと気づけるはずです。
もし今、同じように悩んでいるなら、
まずは今日から“紙に書く”ことを試してみてください。
それだけで、仕事の見え方が少し変わるかもしれません。
※本記事は、筆者自身の体験をもとにした内容です。
医学的な判断や診断については、専門家にご相談ください。
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