ADHDが再起不能にならないために。「逃げる」は悪じゃない。

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RPGをやったことがある人なら分かると思うんですけど、HP(体力)が残り少ないのに無理して戦い続けて全滅みたいなことってありますよね。

現実も同じです。
特にADHDの僕たちは、このHP管理がめちゃくちゃ苦手なんです。

無理して仕事を頑張る→エネルギー使い果たす→休日に動けなくなる。あなたはこんな経験ありませんか?

世の中には「逃げずに頑張り続けることが美徳」みたいな価値観があって、それに従おうとすると本当にキツい、、

確かに上司やまわりの人に頑張り続ける姿を見せるというのは大事なことだと思います。実際にそのような姿を評価する人も多いですよね。

しかし生活に支障をきたすとなると、それは本末転倒ではないでしょうか?

全滅を避けるために逃げるべきところは逃げて、HPを守ろう。
今回はそういうお話しです。

なぜ逃げないといけないのか

「逃げる=負け」だと思ってませんか?

違います。逃げるというのは、戦略的撤退です。

RPGの世界では戦い続けて再起不能になるより、一旦引いて態勢を立て直す方がずっと賢い。これは当たり前のことなのに、なぜか人生になると「逃げちゃダメ」って思いがちです。

では必要な時に逃げらないとどうなるのでしょうか。

身近で見た「逃げられなかった」話

僕の幼馴染の話です。

非正規雇用で会社に勤めていた彼は、非常に責任感が強く、正社員よりも仕事に対して真摯に取り組んでいました。

もしかすると「非正規だから」という引け目があったのかもしれません。誰よりも早く出勤し、誰よりも遅くまで残っていました。

ただ、その真面目すぎる性格ゆえに、職場で明らかにキャパオーバーの仕事量を抱え込んでいました。

さらに正義感と熱量があった彼は、職場の問題点を指摘したり、改善提案を出したりすることも多く、残念ながら一部の社員からは煙たがられてしまっていました。

頑張っているのに評価されない。むしろ疎まれる。それでも彼は「もっと頑張れば認められる」と信じて、さらに仕事を引き受け続けました。

ADHDの特性がどう影響したか

後から振り返ると、彼の行動にはADHD特性が色濃く出ていたと思います。

過集中
「これを終わらせなきゃ」と思うと、時間を忘れて作業し続ける

断れない
頼まれると「自分がやらなきゃ」と引き受けてしまう

衝動的な発言
思ったことを抑えられず、改善提案を出してしまう

感情のコントロール
評価されないことへの焦りと不安が、さらに「頑張らなきゃ」を加速させる

致命傷になったもの

彼の状態は、徐々に悪化していきました。

身体的なサイン

  • 慢性的な睡眠不足
  • 食事を取る時間がない、食べても味がしない
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、休めない

精神的なサイン

  • 「自分はまだ足りない」という強迫的な思考
  • 些細なミスで極度に自分を責める
  • 職場での孤立感と「認められない」焦燥感

そしてある朝、ベッドから起き上がれなくなりました。

体が動かない。何も考えられない。涙だけが流れる。

診断は適応障害とうつ状態。そこから長期の休職を余儀なくされました。

どこで逃げていれば防げたか

今振り返ると、逃げるタイミングはいくつかあったと思います。

1,仕事量が明らかに一人で処理できる量を超えた時点。
→「無理です」「誰かと分担させてください」と言えていればキャパオーバーにならずに済んだ。

2,正社員から煙たがられ始めた時点。
→「この環境は自分に合わない」と判断し、行動することで転職に繋がった。

睡眠時間が削られ、趣味に興味がなくなり始めた時点。
→休暇を取得し、睡眠や気分のリフレッシュに充てることでうつにならずに済んだ。

でも彼は、どの段階でも逃げられなかった。

「もう少し頑張れば」 「周りに迷惑をかけられない」 「非正規なのに休むなんて」 「逃げたら負け」

そんな思い込みが、逃げる選択肢を見えなくしていたんです。

その後

幸い、彼は時間をかけて回復しました。

休職中に自分のADHD特性と向き合い、治療を受け、ゆっくりと元気を取り戻していきました。今は別の職場で、自分のペースを大切にしながら働いています。

でも、彼はこう言いました。

「もっと早く逃げておけばよかった。失った時間と、周りに心配かけた申し訳なさは、今でも引きずってる」

ここで強調したいのは、「こうなったら終わり」ではないということです。

彼のように回復することはできます。人生は続きます。

でも、再起不能の一歩手前まで行く必要はなかったと思います。

もっと早く、もっと軽い段階で「逃げる」という選択ができていれば、失うものはもっと少なくて済んだはずです。

真面目で責任感が強い人ほど、逃げるのが難しいのです。

そして、ADHD特性を持つ人は、自分の限界を認識するのが苦手です。

だからこそ、「逃げる」ことを事前に計画しておく必要があります。

致命傷を避けるための具体的な逃げ方

じゃあ実際、どうやって逃げればいいのか。3つのパターンで考えてみます。

1. 環境からの逃げ方

転職をする、休職を取る、距離を置く。

  • 「3年は続けないと」とか、勝手なルールは捨てていい
  • 休職は「逃げ」じゃなくて「メンテナンス期間」
  • 物理的に会わないという選択肢を常に持っておく

環境を変えるのは大きな決断に見えるけど、壊れてからの回復の方がよっぽど大変です。

2. タスクからの逃げ方

助けを求める。

ADHDの人は「全部やらなきゃ」って思いがちだけど、、

  • 本当に全部必要?
  • 誰かに頼めない?
  • そもそも今やる必要ある?

これを自分に問いかける癖をつける。しんどい時は完璧主義にならないこと。

3. 思考からの逃げ方

完璧主義を手放す、自己批判を止める。

  • 自身が「~するべき」って考え方をしていることに気づいたら、「本当に~するべきなのかな?」って問い返す。
  • 他人が同じ状況だったら、自分は責めない。じゃあ自分も自分を責めなくていい。

最後に

HPがゼロになってから回復するより、HPが残ってるうちに休む方がずっと楽です。

「頑張る」ことより「生き延びる」ことの方が大事。

再起不能にならないために、上手に逃げる技術を身につけていきましょう。

逃げることは、自分を守ること。それは決して恥ずかしいことじゃありません。


※本記事は、筆者自身の体験をもとにした内容です。
医学的な判断や診断については、専門家にご相談ください。
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